ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」に学ぶ

アメリカでは、大ベストセラーになったというダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」

日本でも、腕に覚えのあるマーケターの人は、ロバート・チャルディーニの「影響力の武器」と並んで、よく読まれている書籍です。

さて、私は、この「ファスト&スロー」を読んで、非常に学ぶところが多いと思いました。

処理が速いが錯覚を起こしやすいシステム1。じっくり考え間違いは少ないが怠け者のシステム2。その2つのシステムがからんで脳の思考や行動を決めていますが、その特徴や性質を論文や実験データで詳細に分析していました。

もっとも、カーネマン自身は、この書籍を井戸端会議の話題にでもして欲しい。と、面白く紹介していましので、深刻に受け止めず、参考程度にすると面白いよとアドバイスしてます。

特に、私が、興味深かったのは、プロスペクト理論というもので、人は、利益をどのように感じているかということです。

利益は、逓減といって、受け取る利益が2倍になっても、実際に感じるのは、2×2/3と、目減りしていきます。

利益が10倍になっても、感じるのは、3倍いくかいかないかです。

また、損失は、利益と同じ程度の損失だと、損失を2倍に感じます。

そこで、行われる実験も、なかなかおもしろく、ちょっと、倫理観を問われるようなことも、やってて、なんか、アメリカっぽい雰囲気が漂って、私は、好きでした。

この書籍を読むと、例えば、なぜ多くの人は、継続できないのか?自分の行動に対して、コスパと称し、リターンを大きく見積もるのか?すごく納得がいくと同時に、自分が、システム1で錯覚してることを意識させられます。

書籍としては、マーケティングや経済心理学という分野ではありますが、巷の自己啓発書を読むよりも、勉強になります。

書籍が、上下巻あって、分厚くて、心が折れそうになるのですが、そこは、井戸端会議のネタにでも、という軽い気持ちで、読むのがおすすめです。

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