みんな社長になりたがる。社長が目的の3つの落とし穴とは。

以前勤めていた会社の社長が「みんな社長になりたがるけど、そんなにうまくいかないんだよね。」と話していました。私自身も代表として10年以上経営に携わっておりますが、経営は確かに甘くないと実感します。経営に際して大きな失敗を経験することも少なくありません。

社長になることが目的になってしまうことで思わぬ失敗をしてしまう、そんな失敗の落とし穴とはなんでしょうか。3つのポイントから説明いたします。

  • 1.安売りに巻き込まれてしまう。
  • 2.ずっと働いて見えない長時間労働になる。
  • 3.人を増やしても全く楽にならない。

1.安売りに巻き込まれてしまう。

脱サラ、独立、起業と言い方は違えど社長になりたいという方は多くいらっしゃいます。みなさんが社長になるということに期待することは何でしょうか。「サラリーマンとしての給料に限界を感じた」「自分のやりたい仕事ができない」「会社からこき使われるのが嫌になった」と現状を打破したいという理由で社長になる方。

また、「社長は偉そうにしていて楽している」「儲かっている会社の社長はいきいきしている」「人に命令できる立場になりたい」など、身近な社長の方に影響を受け社長になりたいという方。などなど、理由は様々でも社長になりたいという気持ちになる方は実は多くいらっしゃいます。

理由は違えど、実際に会社を辞め、独立し自ら社長となり営業を開始したとします。多くの場合、以前、勤めていた会社の売り方や儲かっている会社のやり方を見よう見まねで、そこよりも安く売ればなんとかなるのではと「どこよりも安いサービス」と売出します。ある程度、需要があれば売れたりするのですが、ここで大事なのがこのやり方では「安売りに巻き込まれてしまう」ということです。

最初だけと、知り合いに割引して売る、あるいは下請けとして仕事をもらう。ところが最初だけでなく気づけば3年5年と続き、全く儲けが出ずサラリーマンのときのほうがよかったと後悔することは珍しくありません。

2.ずっと働いて思わぬ長時間労働になる

次に同様の理由ですが、金額のまとまった案件を受注したとしても、難易度の高い案件のためやることが多く、思わぬ長時間労働をしいられる時があります。営業がうまくいかないと、無理をしてでも案件を受けざるを得ないため、取引相手の条件をそのまま受けてしまい結果大きな損失となってしまいます。

例えば、5万円しかもらえない案件に1ヶ月間まるまる時間をかけざるを得なかった。という経験をする経営者の話は枚挙に暇がありません。

3.人を増やしても全く楽にならない。

ある程度、固定客がつき、売上が安定した頃に、人手不足、リソース不足が発生します。ここで、あわてて人を増やしてはいけません。あわてて人を増やすと、人を雇うというものすごい経費に押しつぶされることになりかねません。人を雇うと、給料だけでなく、そのスタッフの場所、作業などの経費、また、技術や仕事のやり方を教える経費がかかります。

給料分だけを計算して、全く採算があわなくなることが多いのです。

以上、社長になりたいという目的だけで、社長になってしまうと、とんでもないことになってしまうケースが多々あります。事業を始めるにあたって、なぜ社長になりたいのか、世の中にどんな価値を提供したいのかを練りに練ることをおすすめします。

どうすれば社長として成功するのか

  1. 失敗を自分のせいにしない
  2. 取引相手を選ぶ
  3. 営業に力を入れる

1.失敗を自分のせいにしない

 

一般的によく言われるのが「失敗を他人のせいにするな。」です。確かに、一理ありますが、経営者は、タダでさえストレスと責任と重圧に苦しんでいます。失敗を自分のせいになんかしてしまったら、それこそ自殺ものです。かといって、他人のせいにしても解決しません。

単価が下がるのは、仕組みを準備していないことや自ら安売りに飛び込んでいることが原因です。性格が暗いから、コミュニケーションが苦手だから、営業が苦手だから、など、内面的な自分の性格を変えても、顧客にとって実はどうでもよいことです。失敗にクヨクヨするより、次の手を打ったほうが賢明です。

お金の余裕がなく安い仕事を受けてるなら、借り入れかバイトすれば解決します。仕組みを準備してなかったら、あらかじめ標準の料金表を作ります。目の前でついつい安く言ってしまうなら、見積書を後で出すと言いましょう。仕組みを作って解決です。あなたのせいじゃないです。あたたは十分頑張ってるのです。

2.取引相手を選ぶ

取引相手は、あなたを安くて何でもやってくれる人と思っていたり、都合よく動いてくれる人と思っていることがあります。約束の時間を守らない、入金の約束をしない守らないなど、ビジネスとして大事なことをおろそかにする相手は、優先度を下げましょう。

場合によっては、面と向かって「あなたとは取引したくありません。」と言っても良いです。あなたがイマイチな取引相手をあえて切ることで、それを見た、新しいお客さんが来る可能性が増えるのです。

取引相手を自分で選べるようになれば、もう成功は目の前です。

3.営業に力をいれる

営業に力をいれると、良い顧客にめぐりあう機会が増えます。良い顧客は、「やってもらう=お金を払う」ことをしっかりとわきまえています。良い顧客にめぐりあう方法はたった一つ、できるだけ多くの人に会うこと。自分の強みを伝えること。そうして多くの良い顧客と取引できれば、自然と単価は上がります。

単価が上がったあとなら、給料は相場より高く払うことができます。相場より高く給料を払えば、優秀な人は必ず集まります。

社長になることが目的から社長として成功すること

社長になることだけが目的だと、思わぬ失敗をしますが、社長と言うのはそれ以外にもたくさん失敗します。大切なことは、自分を見失わないことです。そのためには、失敗しても一緒に走ってくれるパートナーや相談者がいるとこれほど心強い存在はありません。

最後にお知らせです。

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